勘違い注意!デフォルト(default)の本当の意味


近年、パソコンとインターネットの普及に伴い、以前はコンピューターエンジニアたちの間で専門的に使われていた用語が、かなり一般化して来ています。
その代表格がこの default でしょう。皆さんもパソコンを使っている時にこの言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
今回は、日本語と英語のデフォルト(default)の意味の違いについてご紹介したいと思います。

日本語バージョンのOSでは、この default は「初期設定」とか「既定値」として訳され、ユーザーが特に数値を指定しない場合にプログラムが自動的に割り当てる設定値の意味を表しますね。

ところが、最近このdefault をコンピューターを離れた日常の場面で「標準」とか「既定の」の意味で使用する日本人(特に若者層)が急増しているそうです。

まあ、日本国内で若者間で使われる新語の範疇であれば取り立ててどうの、と注意する必要もないのですが、これを英語にも当てはめて default を「乱用」するようなことがあるとちょっと状況は違ってきます。

default という単語は、本来やるべきこと、義務を怠っている、つまり「怠慢」と言う定義の言葉です。
そこから派生して、「債務不履行」「裁判の欠席」「試合放棄」 と言う意味で広く「一般」に使用される単語です。

もちろん電算の分野で使用され始めたのはこの単語自体の歴史からみれば「最近」のことで、default 設定とは電算機の使用者が設定すべき数値を設定しなかった場合、つまり使用者が「怠慢」である場合の設定、と言う観点から出発しているものです。

つまり、語義として決して「ポジティブ」な響きがある単語ではないのです。ですから、皆さんはくれぐれも勘違いすることなく、一般の会話の中では「標準」とか「既定」などの意味で default を使うことは極力避けたほうがいいと思います。
その代わりに英語には、standard 「標準」とか、preselected 「既定の」とか、より適切な単語がちゃんとありますので、それを使うように心掛けて下さい。

自社が通常取引に使用している銀行口座のことを、間違えても default bank account of our company なんて言ってはいけません。「債務不履行に陥った銀行口座」なんて、とんでもないことになっちゃいます!

この場合には、”official bank account” です。

近い将来、ビジネスの場面で英語を使う機会が増えて来るであろう日本、そして日本の若者たちへ捧げます。

新しい英単語に出会ったら、まず第一にやることは辞書を引くこと。決して「雰囲気」だけで使うことのないようにしましょう。
今回はより日本語でもなじみのある言葉のデフォルト(default)をご紹介させていただきました。

最後までお読みいただきましてありがとうございます。

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